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信ずる道をお進みください

セッションにお見えになっていたご相談者様の訃報が、ご家族の方より届きました。

精神的な症状により、4月、5月と2回のセッションを行いました。
3回目のセッションは真夏のように暑い7月でした。
ご相談者様がセッション場所に向かう途中で日射病で倒れ、搬送先の病院の検査により、ステージ4のガンであることがわかりました。

8月に入り、入院している病院を尋ねました。
ベッドには、以前お話してくださったヴィクトール・フランクルの「夜と霧」が置いてありました。そして、第一声におっしゃいました。

「先生、わたし、本当は子どもが生みたかったの」

会った途端に本当の心のうちをおっしゃってくださった。

その方は、その気持ちを外に出すために、わたしと出会ったのかもしれない。

わたしは、その一言を伺うために、その方とのご縁をいただいたのでしょう。

「病院でお世話をしてくださる若い方みんなが、○○さんのお子さんですよ」

そのようにお伝えしました。

30分の面会のあいだ、いろいろなことを話していただきました。最後に握手をし、ハグをして病室を後にしました。

10月、秋雨の頃に、その方はお亡くなりになりました。

「どうぞお気をつけて、信ずる道をお進みください。」

ご家族の方から届いた訃報は、こう結んでありました。

どこまでも青い空を見上げながら、ご相談者様とご家族の方とのご縁を思い、わたしは考える。

わたしが信ずる道を。